オルトロスの犬のことを書いた時に、「神の手、悪魔の手」という言葉を使ってから、蔵人さんの手のことが頭から離れないでいる。

蔵人さんの手は魔法の手。
私にとって神の手でもあるし、時に悪魔の手でもある。

あんなに私を気持ちよくできるかと思うと、本気で泣くまで痛くする。
蔵人さんと何か行為をしてる時の記憶には、かならず蔵人さんの手が存在していて、その手や指は私の視界にないことの方が多いんだけど、「感覚」としていつもある。

神の手。
悪魔の手。
本当にそうだよなぁって思う。

私の手なんて、その時なにをしてるかって考えてみても、枕を掴んでいたり自分の足首を持っていたり、ほとんど何も仕事してないもんなぁ、申し訳ないくらいに。


私はずっと前から男の人の「手フェチ」で、男の人の綺麗な手を見ると「おっと♪」っとドキドキしちゃったりする方で、「手」というものに執着があるのかもしれない。


そして、神の手であったり悪魔の手であったりする蔵人さんの手をこうして思い出す時に、神よりも悪魔の手の時の方がずっと強烈な記憶として私の中に残ってる。

力いっぱい捕まれて、強烈な痛みの奥の方から絞り出されてくる快感と、ほんのちょっとの力の加減で苦痛と快感を行ったり来たりさせられる、「手のひらの上で転がされてる」ようなあの感覚。


そりゃぁ記憶にも残りますよね、悪魔の手だもん。
肉だけじゃなく、ハートもガッチリ捕まれちゃってる。